ある女の子の話
世間がコロナに襲われた2020年からしばらくの間は「ぶどうのいえ」も休業を余儀なくされました。それでもご利用の滞在者さまをお迎えする日のために掃除、換気など出来ることを続けながら、私たちボランティアは再び活動できる日を待ち望んでおりました。
そんなある日、ママに抱かれた1歳女児が「ぶどうのいえ」にご滞在。
ドレンを付けた小さな体でママにしがみつきながらモミジのように可愛いお手々で「オハヨー!」「行ってきます」「バイバイ!」と一生懸命に表現してくれます。
きっとつらい日々が続いているのでしょうに、その瞳は澄んで力強く、じっと見つめられる私の方がたじろいでしまう程でした。その後治療を終え、ママと一緒に地方のご自宅に戻られましたが、今でもあのつぶらな瞳とモミジのようなお手々を思い出し、お元気に成長してくださいますように、と祈るこの頃です。